銀河が生まれるまで
○主系列星
中心の温度が1000万度を超えた主系列星では、水素がヘリウムへ変わる核融合が起こります。
このとき膨大なエネルギーが生じ、星周囲のガスは拡散して温度を下げます。
核融合による温度の上昇とガスの拡散、温度の低下と重力によるガスの収縮を繰り返します。
この2つの反応は、内部の水素がほとんど無くなってヘリウムに変わるまで続きます。
○赤色巨星、白色矮星、黒色矮星
ヘリウムの核は重力によって収縮し、さらに温度が上がります。
温度が上がると外側の水素は膨張し、表面温度が低下すると”赤色巨星”になります。
膨張した赤色巨星は外側の層を失い、エネルギーが低下していきます。
そうして核融合が止まり、収縮して地球ほどの大きさになった星を”白色矮星”といいます。
白色矮星はどんどん熱を放出し、完全に熱と光を失うと”黒色矮星”になります。
○様々な原子の出現
太陽より46%大きな恒星では、ヘリウム核の収縮で温度が1億度を超え、ヘリウムの核融合で酸素や炭素が生まれます。
太陽の8倍以上の大きさの恒星では、中心の温度が6億度を超え、炭素の核融合でネオンやマグネシウムが生まれます。
太陽の10倍以上の大きさの恒星では、中心の温度が15億度を超え、酸素の核融合でケイ素などが生まれます。
さらに中心の温度が25億度を超えると、ケイ素の核融合で鉄が生まれます。
鉄より原子番号が大きい原子は不安定なので、これ以上の核融合は進みません。
○重力崩壊と超新星爆発
太陽の8-10倍の大きさの恒星では、ネオンやマグネシウムが電子捕獲をはじめます。
電子捕獲とは、原子核が周りの電子を取り込んで陽子と反応し、中性子へ変化する反応です。
これにより中心の圧が下がり、核融合の力が重力を支えられなくなり、一気に収縮します。
これを”重力崩壊”といいます。
中心の温度が100億度を超える恒星では、鉄の原子核がヘリウムへと分解され、圧が下がり重力崩壊を起こします。
重力崩壊を起こすと、エネルギーの解放によって恒星全体が吹き飛びます。これを”超新星爆発”といいます。
超新星爆発では、膨大な熱や圧力が発生するため、中性子捕獲やベータ崩壊が起こります。
そうして、鉄より原子番号が大きい不安定な原子である、ウラン238以上の重い核種を一度に大量につくり放出します。
○ブラックホール
太陽の30倍以上の大きさの恒星は重力が強く、重力崩壊しても超新星爆発が起こらず、ブラックホールになります。
○銀河
1000万から100兆ほどの多くの恒星や、ガスと塵が集まって成り立っているのが”銀河”です。
銀河の中心にはとても大きなブラックホールがあると考えられています。
渦巻銀河や楕円銀河など、銀河には様々な種類があり、お互いに重力によって影響を及ぼし合っています。
渦巻銀河が重力によって衝突すると楕円銀河をつくり、多くの恒星を生み出します。