おおいぬ座の神話
主人公:狩人・ケファロス 恋人:エレクテウス王の娘・プロクリス
浮気相手:曙の女神・オーロラ
ケファロスは大変美しい若者で、月の女神・アルテミスの侍女であるプロクリスと結婚していました。
しかし、浮気好きな曙の女神・オーロラにも愛されていたため、ある日ふたりの時にこう言われます。
「プロクリスも"あなたのように"美しいのだから、あなたがいない間に浮気しているでしょう。」
ケファロスは不安になり、彼女が心変わりしないか確かめるため、別の男の姿でプロクリスを訪ねました。
貢ぎ物や甘い言葉でしつこく誘惑されたプロクリスは、ついにその男を受け入れてしまいました。
それと同時にケファロスは元の姿になり、彼女のことを責めました。
プロクリスは恥ずかしさと怒りのあまり、家を飛び出してしまいました。
プロクリスはその後、クレタ島の王ミノスの愛人となり
獲物を必ず捕らえる犬”レラプス”と、投げれば必ず当たる槍をもらいました。
ミノスの妻の嫉妬を恐れたプロクリスは、帰ってケファロスとの仲直りの証に犬と槍を送りました。
ある日、ケファロスは猟犬"レラプス"と槍を持って狩に出ました。
順調に狩をしていたケファロスは、茂みの向こうに獲物の影が見えたので、必ず当たる槍を投げました。
しかし、そこには血に染まった妻のプロクリスが倒れていたのです。
妻を殺してしまったケファロスは悲しみに暮れ、せめて人の役に立ちたいと思い
妻にもらった”犬と槍”で、近くの街で悪さをする狐を退治することに決めました。
狐を探し回ったケファロスは、ついに凶暴な狐に遭遇します。
そこで、獲物を必ず捕らえる猟犬"レラプス"を放ちました。
しかし、狐を捕まえることができませんでした。
なぜならその狐は、神から”敵から必ず逃れられる俊敏さ”を与えられていたからです。
犬と狐、どちらが勝っても神の間違いが証明されてしまうことを恐れたゼウスは
どちらも石に変えてしまいました。
その後、名犬と名高いレラプスだけは、夜空に上げられおおいぬ座になったのでした。
*クレタ島の王・ミノス…ゼウスとエウロペの息子(おうし座の話)